日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年5月20日インパクトのある話にする大切な要素とは?

 

★『間』は話す上でとても大切なもの


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースで講師が受講生の話し方をアドバイスする際、ほぼ全ての受講生に伝えていることがあります。それは『間』を取ることです。
『間』とは、話す人が意図的に作る沈黙のことです。話に詰まったり、話す事を忘れてしまって黙ってしまうのは『間』とは言いません。話に『間』を入れることは、話を分かりやすく、また聞き取りやすくする上でとても大切なものです。しかし、世の中のほとんどの人はこの大切さに気付いていません。今回は『間』を取ることの効果についてお話します。


★落ち着いて話せる


1つ目の効果は、落ち着いて話すことができることです。
『間』を取らずに話すと、一文を話した後、すぐに次の話をせねばならないという焦りが生じてしまいます。すると、話すスピードが早くなり言葉につっかえたり、「え~、あの~」という言葉ぐせが増えてしまいます。また焦りから話が支離滅裂になってしまうこともあります。しかし、『間』を取るようにすると、黙っている間に自分を落ち着かせることができます。自分のペースで話すことができるのです。


★聞き手が話を理解しやすくなる


2つ目の効果は、聞き手が話を理解しやすくなることです。
聞き手は話を聞いてから、それを自分の頭の中で咀嚼したり考えたりしています。例えば、社長が朝礼で「昨日、大型案件の受注が決まりました!」と言えば、聞き手は「やった!これで今期の業績は安心、ボーナスも期待できるな」などと考えるでしょう。このように聞き手は話を聞いたら、その話を理解し、それについて考えたり感じたりします。『話を聞く』という行為と『話を理解する』という行為は別々に行われるのです。なので、話に『間』がないと聞きながら理解せざるを得ず、どちらがおろそかになってしまいます。その結果、話を充分に理解できなくなるのです。しかし、『間』を入れることで聞き手が聞いた話を理解する時間を持つことができます。その結果、話をより理解できるようになるのです。


★インパクトのある話ができる


3つ目は、インパクトのある話ができることができることです。
例えば、日常会話で、
「私、雨男でね~。去年の冬、長崎に旅行に行った時も、『雨よ降るな!』と祈ったんです。そしたら何と! 雨は降らずに済んだんです!」
と言ってからしばらく『間』を取って、
「雪だったんです」
と言えば、その意外さが強調されて話がグッとインパクトのあるものになります。これを『間』を取らずにすぐに「そしたら雪だったんです」と言ってしまうと、聞き手が「へ~、雨は降らずに済んだんだ」と思う時間がないので、その後の「雪だった」という言葉の面白さが半減してしまいます。

以前、みのもんたさんが司会をしていた「クイズ$ミリオネア」という番組をご存じでしょうか。クイズに間違わずに答えていけば獲得賞金がどんどん上がるという番組です。ゲスト回答者が出されたクイズに答えます。すると、みのもんたさんは「ファイナルアンサー?」と、それでいいんですか?という音調、表情とともに聞きます。回答者が「ファイナルアンサー」と答えた後、長~い『間』を取って、テレビを見ている人のドキドキ感をあおるだけあおってから「正解!」などと正解、不正解を知らせたのです。この長~い『間」のおかげで、かなりの緊張感が生まれるので、当時の人気番組になりました。これも『間』の効果がよくわかる好例です。


★『間』を取る勇気を持つ


このように、話に『間』を入れることには様々なメリットがあります。しかし、多くの人は沈黙することに恐れを感じてしまい、なかなか『間』を取ろうとしません。ぜひ少し勇気を出して話に『間』を取ることを意識してみてください!

日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、人前であがらずに話すことはもとより、『間』の取り方をはじめとして、インパクトのある話し方をベテランの講師が丁寧にご指導しています。その効果は多くの受講生が実感されています。ぜひ「受講者の声」をご覧ください!
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